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身近な秘境の自然やらクライミングやら音楽やら映画やら諸々を書くと思います。

foot私は足の親指が長い。「スパッと切ったような足」と失礼な事をよく言われます。(写真参照)
私が遭難しても足の親指(が妙に長い)か、ふくらはぎ(が妙に太い)で(遺体の身元が)すぐ分かると言った、やはり失礼な奴も確かいたような気がします。

だから暦30年を超えた今でもシューズのサイズ選びは毎回真剣です、特にサイズがとても重要な冬用登山靴やクライミングシューズとなると、試し履き後サイズだけで最低数日は悩みますね、そもそも一回の試し履きで選べた記憶は数回あるかないかでしょうか。しかもそんな時は大抵失敗してるし。

ご存じのようにクライミングシューズのサイズは小さなエッジにも乗れるように、指先が曲がる小さなサイズを選びます。ですが私の場合、親指で丁度良いサイズに合わせると他の指はまだ伸びていてアウトエッジがぜんぜん効きません。左右からの抑えも弱いので、小さいホールドにはいつも親指一本で立つ感じです。

親指が長いと聞いて「ポケットに入るから有利じゃん」とか言う阿呆がたまにいるんですが、まあ試しに素足で箱の端っこに親指一本で乗るのと足指全部乗せられるのを比べてみれば、私の苦労がすぐにわかるはずです。

この一本指打法がいろいろと悪さをしている事は若い頃から分かっていて、当時はいつも足の親指の先を1~1.5cmぐらい手術で切れないかと考えてたのですが、やっちゃうと足先感覚がどうなるかわからないし、そもそもやってくれる医者探しが大変そうだし、何より金がかかるので実現せず……。

いっそ凍傷でうまく落ちてくれないかと思っていたものの、実際に凍傷にやられた知り合いを見ているといろいろと苦労が多そうだし、何より凍傷だと両足が同じ長さになってくれるとは限らない。
「山屋あるある」ですが、凍傷で足が左右違うサイズになってしまうと、高価な登山靴を二足買わないといけないので、「先生、左右同じ長さに切ってくんない?」とか言う人がいるとかいないとか。(一応QOLって事なのか、最近のお医者さんはかなり考慮してくれるみたいですが)

さて本題のサイズ選びの話ですが、結論を言うと足の親指が特出して長い人は、あまりきつすぎないサイズが合っていると思われます。「え? ガッチガチに固めて長さをそろえてしまえば良いんでないの?」と思う方もいるとは思いますが、そうすると長い親指が縮こまってそれ以上全然曲がらない事になってしまいます。そこまで指先を固めてしまうと、引っかけやかき込みが出来ないために、いろいろとハンデになります。それにそんなサイズでは店頭で履くだけは履けても少し登るだけで超痛いですし。

例えば前傾壁では足指をホールドを引っかける事が多いですが、小さすぎるシューズで親指を固めてしまうとそれができなくなり、上に置くだけになります。そうすると後ろに引かれる重心を壁に近づけるために高い身体張力が必要になり、それを支えるために指に負担が集中します。特に背が高い人(重心が壁からより離れる人)は負担が非常に大きく登れない上に故障しやすくなります(つまり私の事ね)。

ちなみに伸びやすいと言われる同じシューズで足の実寸が同程度の数人に話を聞いたところ、私とはEUサイズで最大3サイズ(つまりほぼ18mm!)ほど違いました。

何でこんな事になるかと言うと、シューズの伸びの考慮があります。シューズの伸びは親指が長い人では小さく、そうでない人はよく伸びる傾向があるように思います。それに加えて親指が長い人は親指の窮屈さを考えて初めから大きめのシューズを選ぶ傾向があり、親指が長くない人は伸びを考慮して小さめのサイズを選ぶ傾向があるため、サイズの差が余計に広がると思われます。

想像ですが、親指が長いとシューズを内側から外側に推す力が親指の一本だけなので、伸びにくいのかもしれません。実際「このシューズはすぐぶかぶかになるから」と言われたシューズで本当にぶかぶかになった経験は私は確か一度か二度しかなく、逆に小さめを選んで伸びずに失敗した事は何度もあります。ちなみにそうして選んだ小さなシューズは大抵親指の先のエッジだけがあっという間に無くなって寿命も短いです。一度、花崗岩で使用して二週間で先のゴムがダメになったシューズもありました。ところが次に同じシューズでもサイズを少し大きめにするとかなり持ちました。

これは小さすぎるシューズにするとベタ足とエッジングしかできなくなるため、エッジングでシューズの先の一点だけが集中して減るからです。

つまり私みたいな足の人は「よく伸びる靴だから」と言われて勧められるままに小さめを買うと、それほど伸びなくて登れないうえに、最後まで痛い思いをするのに経済的にも厳しいという踏んだり蹴ったり状態になりかねないって事です。

昔から日本の上手いクライマーには長身の人が少ないですが、足の親指が特に長い人もあまり見かけません。そのせいか自身が結構上手いクライマーだったりする店員さんは、親指が長い人にも小さめを薦めてくる傾向があるので注意してください。この場合参考にできるのはクライミングの実力よりも、同じような足を持つ人の意見です。

「初めてのシューズは誰でも失敗する」クライミング初心者に私がいつも言ってきた事ですが、実際大抵の人はサイズ選びで失敗します。しかもモデルチェンジのたびに足形も伸びも変わってしまうシューズが多いため、フリークライマーは経験を積んでもなおサイズの失敗を何度も繰り返します。シューズのサイズ選びはフリークライマーにとって常に悩みの種なのです。

このネタ、前にやっていたサイトでも書いたかもしれませんが…。

カメラの外装に金属しか選択肢がなかった時代を除いて、銀塩カメラ時代まではエンプラ(エンジニアリングプラスチック)のカメラが多く、キヤノンもニコンも一度は最高機種にまでエンプラ外装を採用しましたが、今はほとんどエントリー機種しかないですね。

転機は2003年発売で比較的安価にもかかわらず外装にマグネシウム合金を使ったEOS10D辺りでしょうか。それから他社も中級機種にまで金属ボディを使うようになりました。

それもこれも機械マニアの男どもに金属ボディを欲しがる人が多かったからだと思いますが、カメラを磨いて愛でる趣味がない私は、何でも金属という今の傾向には反対です。

プラスチックボディは多少の衝撃ではへこまない。まあ凹みは衝撃が加わった証拠で不具合を事前に察知できるという考え方もあるようですが、へこんだおかげで内部部品と干渉して不具合が起きたり、ゆがんだ外装の隙間から水が入るトラブルもあったりします。

私が考えるプラスチックボディの利点は、軽い事と冬の撮影で冷たくならないことです。一部部品の発熱が大きいデジタルカメラでは、これは廃熱の点で微妙なのかもしれませんが、低温に弱いバッテリーには悪くない話ですし、何より手が冷たくならない事は冬の風景撮影では非常にありがたい事です。

冬の風景撮影で気温がマイナスになると、金属ボディのカメラはまるで氷を握っているように冷えてしまい、機種によっては厚いグローブをしていても辛いです。この点他は金属でもグリップ部分がエンプラだったニコンのD750はよく出来ていました。逆にD800は非常に冷えて手持ち撮影はかなり辛かった。

カメラの強度の点でもしっかり作られたエンプラ外装なら中級機種までのペラペラのマグネシウム外装とは差がないか、エンプラのほうがもしかしたら強いかもしれません。エンプラ外装だったEOS D60(60Dではない)は、持っただけで非常に堅牢とわかる作りでした。キヤノンのカメラであんなにガッシリしていたカメラはEOS-1系以外では記憶にありません。

金属外装には防磁効果もありますから電磁波が特別強い環境では有利かもしれません。ですが電磁波でカメラが誤作動するような環境は軍艦のレーダーの真下とかデータセンターのサーバー室とかぐらいしか思い浮かばず、そうした特殊な用途以外ではほとんど無視できるでしょう。そもそも今のカメラの外装はWifiやBluetoothのアンテナを内蔵するために、どこかしら金属でない部分があるものですし。

少なくとも風景撮影に多く使われる機種は、グリップだけでもいいからプラスチック外装を復活させてほしいです。

数々の遠征隊に装備を提供し、日本の山ヤなら知らぬ者はいない登山用品の専門店。
我らの世代には「ICI石井スポーツ」。それがついこの間「Mt.石井スポーツ」に名前が変わったと思ったら、今度はなんとヨドバシカメラの完全子会社に。

2020ICIちなみに私ら山ヤの間での愛称はイシイスポーツではなく大抵「アイシーアイ」でした、「イシイスポーツ」と言う人がいると「あ、この人スキー系だな」と思ったもんです。

昔は他に「IBS石井スポーツ」というそこそこ大きな登山用品店があったので、東京神奈川近辺の山ヤの多くはそっちを「アイビーエス」こっちを「アイシーアイ」と区別していたわけです。だから名前がMt.石井スポーツに変わって「イシイスポーツ」と呼ぶのが今でも違和感ありありで、個人的にはただイシイとだけ呼んでおります。ミートボールみたいですね。

ところでその新生Mt.石井スポーツ。新宿西口店はヨドバシカメラ本店のすぐ側だったので、昔から冗談で「ヨドバシのポイントがアイシーアイで使えたらいいのに」とか言ってたけれど、三十数年言い続けたら本当にそうなってしまいました。自分が怖いです。

その新宿西口店が先日すぐ近くのヨドバシ店舗群の狭間に移転しました(写真は空になった旧店舗)。移転前の店舗は思い出せる限りずっとあそこだったような気がします(昔すぎて記憶が曖昧ですが)。ずいぶん前から重登山やクライミングの用品は影を潜め、スキーとアウトドアアパレルな店舗になっていたのですが、それは新店舗も同じ感じでちょっと残念。

クライミングや登山用品がそこそこ充実している東口ビックロ店の営業が20時までなので、西口新店舗はせっかくヨドバシカメラと同じ22時までやってくれるのだから、もっとそうした用品を増やして欲しいものです。そうすれば出かける夜になって「ゲッ、マジ足りねー!」なんて時にヨドバシドットコムで店舗在庫を調べて店に駆け込んでセーフ!なんて事も可能になるかも。

移転前の旧新宿西口店ですが、ずっと昔は本店ほどではなかったにしろ、登山とクライミング用品が所狭しと並んでいました。冬山シーズン前になると、スーツを着た山岳会の先輩後輩らしい30~40代サラリーマンと20代ウーマンが、冬靴やら金物の道具やらを楽しげに物色していた時代もありました。西新宿方面のオフィスビルからは丁度帰り道になりますし。

散々通って、私のビデオ作品も売ってもらった新大久保本店がなくなったときもそうでしたが、こうして思い出のある場所が消えるのはやはり寂しいものです。これも時代の流れなんですね。

ここ数年、元BTO系メーカーがクリエイターPCやゲーミングPCに力を入れている。ここで言うBTO系PCメーカーとは、市販のパーツを顧客の要望に合わせて組上げて売っていた独立系メーカーやショップブランドの事。「た」と過去形なのは、最近は組み立ての域を出て大手PCメーカーよろしくオリジナルパーツを使うメーカーが増えてきたから。しかし実はここに問題がある。

一番の問題はマザーボードがBTO専用のカスタム品の場合だ。
ビジネスモデルでは少ないかも知れないが、ゲーミングモデルやクリエイターモデルの場合は、1~2年も使えばCPUやメモリーをパワーアップしたいと考える事は珍しくないだろう。そんな時に世代的には対応出来るはずの新しいCPUに対応しないとか、機能やツールが使えないといった困った事が起こる可能性がある。なぜならPCメーカーのマザーボード用のBIOS更新ファイルは、新機能の追加ではなくバグ修正などメーカーが最低限必要と判断したものしか提供されないのが普通だからだ。

現状の元BTO系メーカー専用のマザーボードは、マザーボードメーカーの市販モデルをベースにして不要な機能を削除したものが多いようだ。しかしマザーボードメーカーがベースモデル用に提供しているBIOSは適用できない事が多い。その場合は新CPUへの対応などベースモデルと同じ機能向上は期待できない。
また同じメーカーが製造しているにもかかわらず、マザーボードメーカーが提供している便利な設定ユーティリティーも使えない場合が多い。
事実上市販のマザーボードの機能省略版に過ぎないのに、ベースモデルで実現できる最新機能が使えないのは、あまりユーザーフレンドリーとは思えないがどうだろう。

PCメーカーとしては出荷時の構成以外をサポートしたくないのは分かる。だがBTO系のPCを買うユーザーには「ある程度分かっている人」も多く、その手の人ならCPUやメモリーの差し替えぐらいは普通に考えるだろう。そのたびに残念な事になるぐらいなら、少しぐらい割高でも初めから市販パーツで自分で組もうかな? と考える人が出てきてもおかしくはないだろう。

以前であれば組み立てPCはパーツの相性問題で敬遠されることもあったが、相性問題は今ではかなり少なくなり、頻度はメーカーPCと大きな差があるとは思えなくなった。メーカーPCは機種固有のパーツが多いため、ハードの不具合があってもユーザーがパーツを組み替えて凌ぐ事が難しい。今ではむしろ自作PCのほうが迅速で安く対応できる場合が多い。

元BTO系メーカーのゲームPCやクリエイターPCと銘打ったモデルは、高価なCPUとGPUの組み合わせで割安感があるものが多くつい惹かれてしまう。だが基幹部品に専用パーツを使われてしまうと、先に書いた問題が気になって、ある程度の組み立てスキルがある人はあえて自作を選ぶケースも出てくる。

私もこの手のPCでintel絡みのバグ修正を適用しようと最新BIOSを探したが見つからず、サポートに問い合わせても「ホームページのここを見て探してね」というだけで、「いや、そこは先に見てるから……」と苛々状態になった。
この程度の事は自作PCなら数分でアップデートが可能だ。それに何日もかかる時点でもう仕事向きではないなと感じたため、それを機会に先々を考えて使えるパーツを流用し、市販のマザーボードで組み替えた。※ちなみにWindowsのライセンスは余りがあるので。

BTO系メーカーPCには最初に導入するときのお得感がある。しかし後に困った事が起きて次回の購入を躊躇する人が増えればメーカーだって困るのではないか。パーツ交換が容易というのは高価なCPUやGPUを使うゲーマーやクリエイターなどのヘビーユーザーには大きな魅力だ。市販マザーボードをそのまま使ったモデルの復活を考えてもらいたい。

同じ絡みでは中古マザーボードにも注意が必要だ。こうしたBTOメーカー向けのマザーボードは中古市場でも流通している。一度に大量に出回るのでリース落ちをバラしたものが大半かと思うが、補修用部品だったのか中には明らかに未使用なものも見かける。
マザーボードメーカーの名前入りで市販品とよく似た型番がつき、しかも良品とくれば細かく確認せずに買ってしまう事もありそうだが、先に書いたようにマザーボードメーカーではBIOSを提供していない。

ならPCメーカーのBIOSはどうかと言うと、あるメーカーではBIOSファイルを入手する際にPC本体のシリアルナンバーを必要とする。このメーカーがもし最低限必要なBIOSを提供してくれていたとしても、中古マザーでは本体のシリアルナンバーが無いため入手ができないから注意が必要だ。

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