#11

身近な秘境の自然やらクライミングやら音楽やら映画やら諸々を書くと思います。

raise11

 昨今は自作PCでも、あからさまな相性問題って昔ほど聞かなくなりましたよね? 定格で使っていて新規格を真っ先に使うわけでもなければまず滅多に当たらないレベル。しかしそれでもまだあるのがUSB絡み。

 ちょっと前にものすごく久しぶりにメインのシステムをintelからAMDに変えたら、USBで繋いだ各種ストレージの接続が切れる問題が発生。いろいろ試したら旧レキサー(Micron時代)のUHS-IIカードリーダーを抜くと治る事が分かり、試しに別の中華ブランドカードリーダーに挿し替えたら問題なく安定。

 このレキサーのカードリーダーは小さくて速度も優秀なお気に入りで、ノートPC用とかにもいくつか持っていましてintelのシステムなら問題なくド安定なんですよ。だから久しぶりの相性問題です。

 そう言えばintelはintelでUSB3.0の出だしの頃にチップセットレベルでのサポートが遅れて、そのせいでMacがUSB3.0をなかなか載せられないなんて時期がありました(Jobs談)
 ではWindows陣営はどうしていたかと言うと、マザーボードにどこかのメーカーが作ったUSB3.0チップを追加してUSB3.0に対応していたんですね。そうなるとどうしても相性問題が出やすくなる。
 例えばマザーボード上のUSB3.0チップとユーザーが追加した拡張カード上のチップメーカーが違うと、同じ機能に二つのドライバが混在するせいか格段に不安定になりました。で試しにどちらかのドライバを殺すと安定する。

 当時は結構多くのマザーボードがEtronのUSB3.0チップを採用していて、拡張カード側は日本ではNEC(後にルネサス)が王道で次がVIAといった感じだったと思います。そこでしばらくアキバを駆けずり回りEtronを採用した拡張カードを探し出して、PCから他所のドライバを削除すると案の定安定。
 ただ私は持っていませんでしたが、周辺機器でそのチップと相性が悪いものが知られていたため、最終的にはチップセットにUSB3.0が内蔵されるのを待ってマザーごと買い換えました。

 そんな経験があるんで今回もどれかの故障ではなく相性だろうと思い至ったわけですが、そもそも繋いでいるストレージ関係のたった一つでも調子が悪いとシステム全体を巻き込んで不安定になるWindowsの仕様をさっさと見直して欲しいです、これはWindowsが11になっても相変わらずですから。

ちょっと前のお話。
ミラーレス化を進めるうちに、一眼レフ用のレンズで使わなくなったものがあったんですが、そんなに悪い場所に保管していたわけでもないのにカビが生えてしまいました。
手持ちのレンズにカビが生えたのは久しぶり、少なくとも二十年?いや三十年ぐらい無かったかも。(アクセサリー類はありましたが)

使ってるうちはここでも生えないんだけどなーとかブツクサ言いつつ(笑)、たぶん使わずにしばらく保管しておくレンズがまだあるので、とうとう電気モノの防湿庫を導入! いやあオジサンは電気に頼るのってなんとなく抵抗があるんですけど仕方がないんですよ。

だって……

レンズ一本のカビ取り代が防湿庫買うのと変わらなかったんで、二本目は勘弁してもらわんと。

最近、黒目を大きく見せるカラーコンタクトレンズがやたらとに流行っていますが、現状では虹彩の部分(茶色の瞳なら茶色いところ)まで黒く見えてしまう製品が多く、そうしたものは人物写真的に非常に良くないので私はお勧めしません。

人は本来あるはずの虹彩がない真っ黒な瞳を見ると、この世のものとは思えない不気味さを感じます。SFドラマやホラー映画でもこの手法はよく使われます。

そもそも人間の黒目の直径は0歳児から老人まで、男女も関係なくほとんど同じと言われます。
人でも動物でも子供が可愛く見える理由は、小さくて丸っこいものを庇護したくなる本能からきていると言う説があり(ぬいぐるみも同じ)、人間の子供も黒目は大人と同じ大きさなので、それを基準にすると子供の顔は大人より小さく見える(実際に小さいし)。逆に顔のサイズを基準にすると子供の黒目は大人より大きく見える(実際は同じだけど)。

詳しい事情は知りませんが、コンタクトで黒目を大きく見せたら、錯覚で顔が小さく、しかも子供みたいに可愛く見えるのでは? と考えた人がどこかにいたのかもしれません。

この黒目が大きいと顔が小さく見えるとか可愛く見える(かもしれない)という現象、つまりベビーフェイス化現象(勝手に名付けた)を狙って、写真を撮る場合に黒目コンタクトを使う人が増えたわけですが、レンズで黒目だけを大きくしても、白目の面積や顔や体全体のバランスが違和感を生んだり、虹彩がはっきりしない不気味さがあり、撮れた写真は違和感のあるものになりがちです。

しかし使っている本人は「可愛くなるはず」という暗示にかかっているので、出来上がった写真を見ても違和感を感じない事があります。そういう方は指摘してもなかなか納得してくれないのですが、恋人やファンならともかく無関係で冷静な第三者からは、良くても「なんか変だな」、悪くすると「よくわかんないけど気持ちわりい」と思われると思ったほうが無難です。

文化にもよりますが、人間が他の人間の顔を見るときにまず見るのが目です。人物写真の基本のキは目にピントを合わせる事です(距離差がある場合は一般的に手前の目)、それもまつ毛ではなく黒目に合っていなければピンボケと言われるぐらいシビアです。それぐらい黒目は見る人にとって「気になるパーツ」なのです。

不気味な異星人顔になったり不自然に受け取られるリスクを承知で、どうしても黒目コンタクトが使いたいという方は、実際に着けて上からの照明や横からの照明でも虹彩がしっかりと見える製品を選ぶべきです(一つの角度で良さそうに見えても別の角度では染料の影が落ちて黒く潰れて見えてしまう場合があります)。

また虹彩の周囲、つまり白目との境界がくっきりとしたものも見る側に強い違和感を与えます、本来の境界は少しぼやけているためです。もしそこに配慮した製品があればそうしたものを選ぶべきでしょう。

たまに行く某所におそらく二十年以上前のマイコン炊飯器があって、それで炊いた飯が毎回実に美味かった。もちろん普段と同じ米を炊いてのおはなし。

某所は標高が高いこともあってそのせいかとも思っていたが、なんとか家で同じものが食えないかとずっと思っていた。

最近炊飯器が壊れたのを機に思い切って一万円しないマイコン炊飯器を買ってみた。だめだったらおかゆ専用にしてもいいかなぐらいのつもりで。

正解だった、これだよこれ!。
今まで使っていたのは同じ国内有名メーカーのそこそこ値の張る炊飯機だった。特別な素材の内釜で蓋側にパッキンがあって圧力がかかる構造。

炊き上がりの具体的な違いを言えば、安いマイコン炊飯器で炊いたご飯のほうが腰がある。例えればアルデンテのパスタのような感じ。

高い炊飯器で炊いたご飯は甘味が強く粘りはあるかもしれないが粒に腰がなく、噛むと特に抵抗もなく潰れてしまう。例えればゆですぎたうどんみたいな感じ? そしてこれは水を減らしても変わらない。

ちなみに安いマイコン炊飯器で炊いたごはんのほうが、米の銘柄の違いも分かりやすい気がする。

最近ご飯が今一つ美味しくないと感じている方。試してみては?。

foot私は足の親指が長い。「スパッと切ったような足」と失礼な事をよく言われます。(写真参照)
私が遭難しても足の親指(が妙に長い)か、ふくらはぎ(が妙に太い)で(遺体の身元が)すぐ分かると言った、やはり失礼な奴も確かいたような気がします。

だからクライミング暦30年を超えた今でもシューズのサイズ選びは毎回真剣です、特にサイズがとても重要な冬用登山靴やクライミングシューズとなると、試し履き後サイズだけで最低数日は悩みますね、そもそも一回の試し履きで選べた記憶は数回あるかないかでしょうか。しかもそんな時は大抵失敗してるし。

ご存じのようにクライミングシューズのサイズは小さなエッジにも乗れるように、指先が曲がる小さなサイズを選びます。ですが私の場合、親指で丁度良いサイズに合わせると他の指はまだ伸びていてアウトエッジがぜんぜん効きません。左右からの抑えも弱いので、小さいホールドにはいつも親指一本で立つ感じです。

親指が長いと聞いて「ポケットに入るから有利じゃん」とか言う阿呆がたまにいるんですが、まあ試しに素足で箱の端っこに親指一本で乗るのと足指全部乗せられるのを比べてみれば、私の苦労がすぐにわかるはずです。

この一本指打法がいろいろと悪さをしている事は若い頃から分かっていて、当時はいつも足の親指の先を1~1.5cmぐらい手術で切れないかと考えてたのですが、やっちゃうと足先感覚がどうなるかわからないし、そもそもやってくれる医者探しが大変そうだし、何より金がかかるので実現せず……。

いっそ凍傷でうまく落ちてくれないかと思っていたものの、実際に凍傷にやられた知り合いを見ているといろいろと苦労が多そうだし、何より凍傷だと両足が同じ長さになってくれるとは限らない。
「山屋あるある」ですが、凍傷で足が左右違うサイズになってしまうと、高価な登山靴を二足買わないといけないので、「先生、左右同じ長さに切ってくんない?」とか言う人がいるとかいないとか。(一応QOLって事なのか、最近のお医者さんはかなり考慮してくれるみたいですが)

さて本題のサイズ選びの話ですが、結論を言うと足の親指が特出して長い人は、あまりきつすぎないサイズが合っていると思われます。「え? ガッチガチに固めて長さをそろえてしまえば良いんでないの?」と思う方もいるとは思いますが、そうすると長い親指が縮こまってそれ以上全然曲がらない事になってしまいます。そこまで指先を固めてしまうと、引っかけやかき込みが出来ないために、いろいろとハンデになります。それにそんなサイズでは店頭で履くだけは履けても少し登るだけで超痛いですし。

例えば前傾壁では足指をホールドを引っかける事が多いですが、小さすぎるシューズで親指を固めてしまうとそれができなくなり、上に置くだけになります。そうすると後ろに引かれる重心を壁に近づけるために高い身体張力が必要になり、それを支えるために指に負担が集中します。特に背が高い人(重心が壁からより離れる人)は負担が非常に大きく登れない上に故障しやすくなります(つまり私の事ね)。

ちなみに伸びやすいと言われる同じシューズで足の実寸が同程度の数人に話を聞いたところ、私とはEUサイズで最大3サイズ(つまりほぼ18mm!)ほど違いました。

何でこんな事になるかと言うと、シューズの伸びの考慮があります。シューズの伸びは親指が長い人では小さく、そうでない人はよく伸びる傾向があるように思います。それに加えて親指が長い人は親指の窮屈さを考えて初めから大きめのシューズを選ぶ傾向があり、親指が長くない人は伸びを考慮して小さめのサイズを選ぶ傾向があるため、サイズの差が余計に広がると思われます。

想像ですが、親指が長いとシューズを内側から外側に推す力が親指の一本だけなので、伸びにくいのかもしれません。実際「このシューズはすぐぶかぶかになるから」と言われたシューズで本当にぶかぶかになった経験は私は確か一度か二度しかなく、逆に小さめを選んで伸びずに失敗した事は何度もあります。ちなみにそうして選んだ小さなシューズは大抵親指の先のエッジだけがあっという間に無くなって寿命も短いです。一度、花崗岩で使用して二週間で先のゴムがダメになったシューズもありました。ところが次に同じシューズでもサイズを少し大きめにするとかなり持ちました。

これは小さすぎるシューズにするとベタ足とエッジングしかできなくなるため、エッジングでシューズの先の一点だけが集中して減るからです。

つまり私みたいな足の人は「よく伸びる靴だから」と言われて勧められるままに小さめを買うと、それほど伸びなくて登れないうえに、最後まで痛い思いをするのに経済的にも厳しいという踏んだり蹴ったり状態になりかねないって事です。

昔から日本の上手いクライマーには長身の人が少ないですが、足の親指が特に長い人もあまり見かけません。そのせいか自身が結構上手いクライマーだったりする店員さんは、親指が長い人にも小さめを薦めてくる傾向があるので注意してください。この場合参考にできるのはクライミングの実力よりも、同じような足を持つ人の意見です。

「初めてのシューズは誰でも失敗する」クライミング初心者に私がいつも言ってきた事ですが、実際大抵の人はサイズ選びで失敗します。しかもモデルチェンジのたびに足形も伸びも変わってしまうシューズが多いため、フリークライマーは経験を積んでもなおサイズの失敗を何度も繰り返します。シューズのサイズ選びはフリークライマーにとって常に悩みの種なのです。

このネタ、前にやっていたサイトでも書いたかもしれませんが…。

カメラの外装に金属しか選択肢がなかった時代を除いて、銀塩カメラ時代まではエンプラ(エンジニアリングプラスチック)のカメラが多く、キヤノンもニコンも一度は最高機種にまでエンプラ外装を採用しましたが、今はほとんどエントリー機種しかないですね。

転機は2003年発売で比較的安価にもかかわらず外装にマグネシウム合金を使ったEOS10D辺りでしょうか。それから他社も中級機種にまで金属ボディを使うようになりました。

それもこれも機械マニアの男どもに金属ボディを欲しがる人が多かったからだと思いますが、カメラを磨いて愛でる趣味がない私は、何でも金属という今の傾向には反対です。

プラスチックボディは多少の衝撃ではへこまない。まあ凹みは衝撃が加わった証拠で不具合を事前に察知できるという考え方もあるようですが、へこんだおかげで内部部品と干渉して不具合が起きたり、ゆがんだ外装の隙間から水が入るトラブルもあったりします。

私が考えるプラスチックボディの利点は、軽い事と冬の撮影で冷たくならないことです。一部部品の発熱が大きいデジタルカメラでは、これは廃熱の点で微妙なのかもしれませんが、低温に弱いバッテリーには悪くない話ですし、何より手が冷たくならない事は冬の風景撮影では非常にありがたい事です。

冬の風景撮影で気温がマイナスになると、金属ボディのカメラはまるで氷を握っているように冷えてしまい、機種によっては厚いグローブをしていても辛いです。この点他は金属でもグリップ部分がエンプラだったニコンのD750はよく出来ていました。逆にD800は非常に冷えて手持ち撮影はかなり辛かった。

カメラの強度の点でもしっかり作られたエンプラ外装なら中級機種までのペラペラのマグネシウム外装とは差がないか、エンプラのほうがもしかしたら強いかもしれません。エンプラ外装だったEOS D60(60Dではない)は、持っただけで非常に堅牢とわかる作りでした。キヤノンのカメラであんなにガッシリしていたカメラはEOS-1系以外では記憶にありません。

金属外装には防磁効果もありますから電磁波が特別強い環境では有利かもしれません。ですが電磁波でカメラが誤作動するような環境は軍艦のレーダーの真下とかデータセンターのサーバー室とかぐらいしか思い浮かばず、そうした特殊な用途以外ではほとんど無視できるでしょう。そもそも今のカメラの外装はWifiやBluetoothのアンテナを内蔵するために、どこかしら金属でない部分があるものですし。

少なくとも風景撮影に多く使われる機種は、グリップだけでもいいからプラスチック外装を復活させてほしいです。

数々の遠征隊に装備を提供し、日本の山ヤなら知らぬ者はいない登山用品の専門店。
我らの世代には「ICI石井スポーツ」。それがついこの間「Mt.石井スポーツ」に名前が変わったと思ったら、今度はなんとヨドバシカメラの完全子会社に。

2020ICIちなみに私ら山ヤの間での愛称はイシイスポーツではなく大抵「アイシーアイ」でした、「イシイスポーツ」と言う人がいると「あ、この人スキー系だな」と思ったもんです。

昔は他に「IBS石井スポーツ」というそこそこ大きな登山用品店があったので、東京神奈川近辺の山ヤの多くはそっちを「アイビーエス」こっちを「アイシーアイ」と区別していたわけです。だから名前がMt.石井スポーツに変わって「イシイスポーツ」と呼ぶのが今でも違和感ありありで、個人的にはただイシイとだけ呼んでおります。ミートボールみたいですね。

ところでその新生Mt.石井スポーツ。新宿西口店はヨドバシカメラ本店のすぐ側だったので、昔から冗談で「ヨドバシのポイントがアイシーアイで使えたらいいのに」とか言ってたけれど、三十数年言い続けたら本当にそうなってしまいました。自分が怖いです。

その新宿西口店が先日すぐ近くのヨドバシ店舗群の狭間に移転しました(写真は空になった旧店舗)。移転前の店舗は思い出せる限りずっとあそこだったような気がします(昔すぎて記憶が曖昧ですが)。ずいぶん前から重登山やクライミングの用品は影を潜め、スキーとアウトドアアパレルな店舗になっていたのですが、それは新店舗も同じ感じでちょっと残念。

クライミングや登山用品がそこそこ充実している東口ビックロ店の営業が20時までなので、西口新店舗はせっかくヨドバシカメラと同じ22時までやってくれるのだから、もっとそうした用品を増やして欲しいものです。そうすれば出かける夜になって「ゲッ、マジ足りねー!」なんて時にヨドバシドットコムで店舗在庫を調べて店に駆け込んでセーフ!なんて事も可能になるかも。

移転前の旧新宿西口店ですが、ずっと昔は本店ほどではなかったにしろ、登山とクライミング用品が所狭しと並んでいました。冬山シーズン前になると、スーツを着た山岳会の先輩後輩らしい30~40代サラリーマンと20代ウーマンが、冬靴やら金物の道具やらを楽しげに物色していた時代もありました。西新宿方面のオフィスビルからは丁度帰り道になりますし。

散々通って、私のビデオ作品も売ってもらった新大久保本店がなくなったときもそうでしたが、こうして思い出のある場所が消えるのはやはり寂しいものです。これも時代の流れなんですね。

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